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希望燃ゆ 諏訪の里

希望燃ゆ 諏訪の里 [第19回] こらむ 勝名寺におかれた諏訪村役場と新庁舎の建設


役場新築を提起 1889(明治22)年4月1日、諏訪村が誕生した。しかし、村が誕生しても役場庁舎の建設が間に合わず、当分の間、借上げ庁舎で執務を行っていた。そのため、村行政に不便を来たし、新庁舎建設への願望は高まった。ようやく1896(明治29)年に入り「役場建設」が村議会に提案された。議事録(明治29年4月26日)には、次のような提案説明が残されている。(明治29年4月26日議案第6号)

第4回諏訪村議会開催通知  明治28年9月5日

 諏訪村役場ハ借家ニシテ開場以来字上真砂竜山円順所有の家屋ノ一部ヲ借受ケ事務ヲ扱ウコト爰(ここ)ニ七ケ年而メ毎年其借席料ハ参拾円余亦之レニ附随スル公會ノ借院料ハ年々貮拾円以上ニ登ル然ルニ借席ノ區域狭小ナル為メ公共書類ノ保管、文庫備附、日常執務ニ差支ハ勿論一朝非常ノ場合ニ際シ避ケ難キ事情アリ殊ニ前年来本部長、縣属ニ於テ役場事務巡視ノ際特ニ役場新築ノ急要ヲ督励アルコト数回ナリ元来本邨ハ戸数六百ニ地価三拾萬余ヲ有シ郡内屈指ノ村落ニシテ未ダ独立ノ公署設置ナキヲ深ク憾ム依テ更ニ本邨大字上真砂地内大字小堰二百三番地トシ堅牢ナル役場ヲ新築シ以テ借席料集会其他ノ冗費ヲ省キ将来独立安全ノ公署ト為スノ件
 但役場新築ノ予算設計方法及ビ工事監督ノ委員三名ヲ選定スルコト (略)

 

 

1896(明治29)年7月8日に勝名寺で行われた議会で、次のようなことが議決(議案第13号)され、新庁舎の建設促進が図られた。
 ・公告の上競争入札に附すこと
 ・工事監督委員及本村長の取計いに一任すること
 ・工事監督委員は特に選挙は行わず、設計調査委員から選ぶ
 ・請負い負担金は請負金額の一割とする
 ・請負人入札保証金は拾五円とする
 ・工事競争入札の広告は村内外の数カ所及高田新聞に七日間公示する。

新役場への移転 新庁舎への移転が行われ、1896(明治29)年11月10日午前12時から開庁式が挙行された。開庁式には、郡長、郡書記、津有村長、有田村長、駐在所巡査、村会議員、各区会議員、学務委員、常設委員、大字総代、学校教員、村内重立有志、役場吏員、工事請負人が出席した。開庁式後には、祝賀会が行われている。記録には、料理一人分金25銭以上、酒は「随意に饗応す」と示されている。

【参考】 初めての諏訪村議会での村長・議員 
   村長・議長 野俣佐平治 議員 永井孝一郎 議員 堀田 正藏  議員 堀田玉之助
      議員 金子 栄造 議員 金子榮三治 議員 芳澤 襄良  議員 和田 半治
      議員 髙?健三郎 議員 寺田 六郎 議員 諏訪壱馬之助 議員 浦壁市郎治

 ※引用・参考 「諏訪村村会決議書類綴」明治22年~明治38年 上越市公文書センター