諏訪の里ブログ
発掘が進む4層の「下割遺跡」
諏訪の里ブログ2022.04.29
地表から4メートル掘り下げて見えたこと ・・・人は何時から諏訪の里に住みついたのか
このところ、三和道路の建設現場での遺跡発掘が行われています。「何が分かった?」「まだ掘るの? いい加減にやめて!」など様々な感想をお持ちと思います。今年(2022年)で10回となるのですから長い期間に渡って掘り続けられている遺跡なのです。・・・ということは、それだけ掘る価値があるということです。
何といってもこの下割遺跡のすごさは、上の面から①中世近世の水田や畑、屋敷の跡、②飛鳥・奈良・平安時代の畠と集落、③古墳時代前期の集落と後期の遺物、④表面から4メートルも下の最下層からは、縄文時代後期前葉~中葉の集落が、重なって見つかったことです。特に、縄文時代後期前葉~中葉の集落の発見は、高田平野で最初の発見なんだそうです。
縄文時代は、13,000年くらい前から2,300年くらい前まで長く続きますが、下割遺跡は、後期前葉~中葉の4,000~3,000年くらい前の遺跡です。なんと、諏訪の里には、3,000年以上前から今日に至るまで、断続的かもしれませんが今に至るまで、ほぼ同じ場所に人々が住み続けているのです。
このたび 公益財団法人 新潟県埋蔵文化財調査事業団様 のご好意により 「You-Tube 下割遺跡第9次発掘報告」の掲載許可をいただきました。この動画は、下割遺跡第9次の発掘成果を、6分20秒ほどで、端的明瞭に表しています。今回は、特に縄文時代と平安時代に関わる発掘が紹介されています。なかでも縄文時代の土偶、平安時代の木簡、墨書土器などは貴重な発見だということです。ぜひアクセスしてみてください。厳しい自然の中、諏訪の里に住み続けた先人に思いを馳せていただきたいと思います。